失敗しないフォントの選び方とは?相性の良いフォントの組み合わせ方や選ぶ基準を紹介

2024年09月12日
失敗しないフォントの選び方とは?相性の良いフォントの組み合わせ方や選ぶ基準を紹介

商品やサービスを作成する上で、イメージに関わってくるのがフォントです。フォントの形や太さによって、読みやすさや見やすさ、印象まで変わります。

この記事では失敗しないフォントの選び方のポイントや、フォントの組み合わせ方などを詳しく解説します。商品やサービスを作成するうえで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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失敗しないフォントの選び方

企業やブランドのブランディングとして、フォント選びは非常に重要です。なぜなら、少しフォントが異なるだけで、消費者の抱く印象が大きく変わるからです。

それでは、より良いフォントに出会うためには、どうしたら良いのでしょうか。失敗しないフォントの選び方は以下のとおりです。

  • 読みやすくてきれいなフォントを選ぶ
  • 太字・斜体に対応したフォントを選ぶ
  • 読み間違いが起こりにくいフォントを選ぶ

それぞれ詳しく解説します。

読みやすくてきれいなフォントを選ぶ

1つ目に、読みやすくてきれいなフォントを選ぶことが大切です。

文字の形がきれいに見えるおすすめのフォントは、「クリアタイプフォント」です。クリアタイプフォントは、黒文字の線の輪郭をグレーで描画したものです。

一方、「非クリアタイプフォント」というフォントも存在します。非クリアタイプフォントは、文字サイズによっては輪郭がガタガタで読みづらくなることもあります。

きれいに文字を表示させたいなら、クリアタイプフォントを選びましょう。

太字・斜体に対応したフォントを選ぶ

文字を目立たせるには、太字や斜体に対応したフォントを選ぶことが大切です。

よく使われているフォントの中には、太字や斜体に未対応のフォントも数多くあります。この太字・斜体に未対応のフォントで太字設定をすると、文字のバランスが不恰好であまり太くなりません。

さらに、文字がつぶれやすく、読みやすさや見やすさが十分ではないので注意が必要です。

読み間違いが起こりにくいフォントを選ぶ

3つ目に、読み間違いが起こりにくいフォントを選ぶことが大切です。

日本語は濁点や半濁点が小さめだと、判読性が低くなる傾向があります。そのため、読み間違いを減らしたい場合、濁点や半濁点の表示がわかりやすいフォントを選ぶと良いでしょう。

フォントを選ぶ際の3つの基準

多くの方が使うフォントとして、MSゴシックやMS明朝が挙げられます。しかし、よく使われるからといって、必ずしも失敗しないフォントというわけではありません。

フォントを選ぶ際は、「視認性」「判読性」「可読性」の3つ基準とすると、より良いフォントを選べます。それぞれ詳しく見てみましょう。

視認性

「視認性」とは、パッと見やすいかどうかという意味です。サイズが小さくても文字が潰れず、しっかりと認識できるフォントを「視認性が高い」と表現します。

以下では、視認性が上がるフォント、下がるフォントの特徴を解説していきます。

視認性が上がるフォントの特長

太めの書体だと、視認性を上げることができます。さらに、ゴシックやサンセリフのように太さが一緒で「はね」や「はやい」が少ないシンプルなフォントだと、文字が見やすくなります。

視認性を上げるためには、文字を読んでもらうということより、見やすさを気にしてフォントを選ぶと良いでしょう。

視認性が下がるフォントの特徴

視認性が下がるフォントは、文字に装飾があったり、細めの書体であったりするものです。文字の装飾は見栄えはよく可愛いですが、見え方がより複雑になります。そのため、書いてある内容を読みとるのに時間がかかってしまいます。

また、あまりにも細い字体だと、遠くから文字を目にしたときに理解できない可能性が高いです。せっかくのデザインだからこそ、こだわりたい気持ちはわかります。視認性を下げないためにも、なるべくシンプルにすることが重要です。

可読性

「可読性」とは、文章の読みやすさを指します。フォントの種類やサイズを調整することで、読みやすい文章を生み出すことができます。

それでは、可読性が上がるフォント、下がるフォントはどのようなものなのでしょうか。それぞれ詳しく解説します。

可読性が上がるフォントの特長

可読性が上がるフォントは、どんな文字でも太さが揃っています。太さが揃っていると、目線がスムーズに動きやすくなります。

さらに、一文字一文字に柔らかさがあり、直線的な印象はあまり受けません。そのため、どれだけ文字がたくさん並んでも、見た目のバランスがしっかり取れて読みやすいです。

視認性が上がるフォントの例として、游ゴシックやメイリオなどが挙げられます。

可読性が下がるフォントの特長

可読性が下がるフォントは、直線的な要素で文字の形が雑なものです。文字によって太さがバラバラで、いくつか文字が並ぶとアンバランスに見えることが多く、読むのに負担がかかります。

可読性が下がりやすいフォントとして、MSゴシックやHGゴシックなどがあります。文字の形や表示のされ方があまりきれいではない場合、可読性に大きく影響が出てしまいます。そのため、フォントを選ぶ際には気をつけましょう。

判読性

「判読性」は、類似した文字を区別しやすいか、読み間違いが少ないかを表しています。

例えば、アルファベットの「O(オー)」と数字の「0(ゼロ)」、漢字の「担」と「坦」。これら2つの文字は、フォントによっては見え方が非常に似ることがあり、うっかり誤読する人も多くいます。そのため、伝わりやすさも考慮してフォントを用いると良いでしょう。

判読性が上がるフォントの特長

判読性が上がるフォントは、小さくても文字の区別しやすさがあります。文字に強弱があるフォントを選ぶと良いでしょう。

判読性の上がるフォントは、言語によって異なります。アルファベットや数字の場合、Segoe UIのフォントが文字を区別しやすく、読み間違いを防ぐことができます。

また、日本語ではメイリオ、「ユニバーサルデザインフォント」と呼ばれる誰でも読みやすいフォントを使うと判読性を上げられます。

判読性が下がるフォントの特長

判読性が下がるフォントは、文字の違いが区別しにくく読みづらいです。例えば、Arialのようなフォントは、文字の余白が少なく「3」と「8」が区別しづらいです。

文字が小さくなればなるほど、文字の形が及ぼす影響が大きくなります。そのため、使いたいフォントがあれば、何段階か文字を小さくしてみて識別できるか確認すると良いでしょう。

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【スタイル別】おすすめのフォント

ここまで、見やすさや読みやすさなど失敗しないフォントの解説をしてきました。どのフォントを選ぶかで、目にした人に与えるイメージは大きく変わります。

ここからは、スタイル別におすすめのフォントを7つ紹介します。どのようなフォントを選ぼうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

男性的な演出ができるフォント

男性的な演出ができるのは、ゴシック体のフォントです。ゴシック体のフォントは、ダイレクトに文字が目に入りやすく、視認性が高いのが特徴です。

文字に太さがあり角ばっていて、文字の間隔が詰まっていると、男性的なイメージを強くできます。例えば、M PLUS 2やArvoなどがおすすめです。

さらに、ゴシック体を太いフォントに設定することで、より文字の力強さや迫力が増します。男性的な演出をしたい時は、「太さ」や「重さ」を気にすると良いでしょう。

女性的な演出ができるフォント

女性的な演出ができるフォントは、曲線の美しい明朝体です。女性らしさは「柔らかさ」「曲線」から感じることができます。

明朝体は「はね」や「はらい」が丁寧に表現されているため、女性らしさだけではなく、落ち着きや安心感・信頼感を与えることもできます。さらに、線が細い書体は、繊細さや洗練されたイメージを与えられるので、女性的なイメージを演出できるでしょう。

子供らしさの演出ができるフォント

子どもっぽさを演出したいときは、「かわいらしさ」や「自由さ」などを重視しましょう。文字の形は丸みがあるフォントを選ぶと、親しみやすさや可愛らしさが増します。

子供らしさを表現できるフォントとしては、とくにKosugi MaruやFredokaがおすすめです。

伝統・歴史の演出ができるフォント

伝統や歴史の演出をしたい時は、演出したい国や時代、古さに注目をします。フォント選びのタイミングでは、古代の文字をもとにデザインした書体や、ずっと使われ続けている書体を選びましょう。

表現したい国でつくられたフォントを使えば、より歴史を感じやすくなるでしょう。歴史の演出ができるフォントは、Yuji SyukuやCinzelなどが挙げられます。さらに、毛筆系の書体を使うことで、懐かしいイメージがつきやすくなるでしょう。

シティーな演出ができるフォント

シティーなイメージを演出する時には、「直線的」「無機質さ」「シンプルさ」が必要です。

フォントを選ぶ際は、文字の線が細く、シンプルな書体を選びましょう。シティなイメージを強めるには、フォントだけではなく、文字の間隔や配置を調整することで可能です。

文字間の間隔を開けると、同じ文字でもどこか軽快な印象になります。また、文字の表示を斜めにすると、スピードや先進性が感じられます。

例えば、Zen Kaku Gothic NewやAlumni Sansなどがおすすめです。

ナチュラルな演出ができるフォント

ナチュラルなイメージを出したいのであれば、「温かみ」「リラックス感」が大切です。フォントは、手書きで風合いのある書体、丸みのあるやさしい印象の書体を選ぶと良いでしょう。

手書き風のデザインもフォントを使えば、わざとらしくない自然さが増します。また、文字を柔らかな曲線の上に配置すると、リラックス感が演出できます。

ナチュラルな演出にぴったりなのが、Kiwi MaruやCaveatなどの丸みを帯びたフォントです。

楽しさの演出ができるフォント

楽しい雰囲気を演出するには、「躍動感」「ワクワク感」、「大胆さ」が必要になります。そのため、フォントを選ぶ際には、動きのある書体やアクセントのある書体を見つけましょう。

Kaisei OptiやRanchersなどの可愛らしいフォントを使うと、より楽しさが強調されます。

相性の良いフォントの組み合わせ方

フォントは、いくつか組み合わせて使う場合もあります。フォントを組み合わせることで、見やすさや読みやすさがアップデートされるでしょう。
相性の良いフォントの組み合わせるには、以下の3つのポイントがあります。

  • スタイルが似ているフォント同士を選ぶ
  • サイズが似ているフォント同士を選ぶ
  • 太さが似ているフォント同士を選ぶ

それぞれ詳しく解説します。

スタイルが似ているフォント同士を選ぶ

1つ目に、文字のスタイルを合わせることを意識しましょう。

例えば、日本語がゴシック体なら、英数字はサンセリフ体の相性が良いです。また、日本語が明朝体であれば、英数字はセリフ対のフォントと合わせるのがおすすめです。

サイズが似ているフォント同士を選ぶ

見た目のサイズにバラつきがないかも、フォントを組み合わせる上で大切です。

メイリオのような文字が大きく見えるものとCalibriを組み合わせると、日本語よりもアルファベットが小さく見えてしまいます。さらに、文字のベースラインがずれて、アルファベットが浮いているように見えます。

そのため、それぞれのフォントのサイズ感を確認すると良いでしょう。

太さが似ているフォント同士を選ぶ

文字の太さを揃えることも必要です。MS明朝とCenturyの相性はあまり良くありません。なぜなら、MS明朝は細めの字体であるのに対し、Centuryはアルファベットが太く見えて悪目立ちしてしまうためです。

そのため、太さが似ている書体を組み合わせた方が文字がたくさん並んだ時のバランスが良いでしょう。

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まとめ

この記事では、失敗しないフォントの選び方について解説しました。

フォント選びを成功させるためには、「視認性」「判読性」「可読性」のそれぞれを考慮した選び方が大切です。また、相性良くフォントの組み合わせるには、フォントのスタイルやサイズ、太さを揃えることが必要です。

この記事を参考に、表現したいイメージに合ったフォントを選ぶようにしましょう。

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この記事を書いた人

ベリービー | 東京・青山ショールーム チーフ 加茂 伸洋

グラフィックデザイナー / 紙袋専門デザイナー
紙袋マニアとしてメディア出演多数
TV出演「マツコの知らない世界」「ビビット」
雑誌掲載 東京ウォーカームック「東京で買える! 失敗しない手みやげ 」など